横浜エリア 事務所用パーティションの設計・施工・販売 【有限会社グリーンアップ】

2021年3月19日 日本経済新聞掲載
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鋳物製造の木村鋳造所(静岡県清水町)の発泡スチロール製パーテーション「Kpbox」が、コロナ禍で新たな需要を捉えつつある。軽いのに丈夫で、簡単に組み立てられるため、災害避難所での感染防止用として注目されている。今後はワクチン接種会場などでの活用も模索する。

Kpboxを使って設けた2メートル四方のスペース。中に入るとじんわりあたたかい。99センチメートル四方のLサイズ13枚と、その半分の大きさのSサイズ8枚からなる1セットは約6.5キログラム。同サイズの一般的なパーテーションよりも軽く、女性でも片手で持ち上げられる重さだ。保温性や弾力性、はっ水性が高く、リサイクルすることもできる。

木村鋳造所の2019年度の売上高は約180億円。主力は売り上げの5割を占める自動車のボディー向けの金型用鋳物で、全国シェアの約4割を占める。発泡スチロールは鋳物と無縁に思えるが、実はなくてはならないものだ。

同社は約50年前に鋳物の製造方法の1つ「フルモールド製法」をドイツからいち早く日本に導入した。砂で周りを固めた発泡スチロールの型に高温の溶鉄を流し込み、発泡スチロールが瞬時に気化することを利用して、鉄を型どおりに成形する技術だ。現在でもこの製法が主流で、縦50センチメートル、横1メートル、高さ2メートルの発泡スチロールのブロックを1日60~80本使って型を生産する。

こうして磨かれてきた大型発泡スチロールの加工技術は、意外な分野で使われるようになった。15年ごろからコンサート用の舞台やテーマパークの大道具を受注するようになり、16年に発泡スチロール製品のデザイン部門を立ち上げ、本格的に事業化した。20年6月に生まれたのが、避難所を想定したパーテーションだった。

鋳物に使う発泡スチロールは燃えやすい素材を刃物で成形するが、発泡スチロール製品となるパーテーションや大道具の素材は難燃性で、熱で切断するニクロム線カッターで細かい形を正確に再現する。漁業が盛んな静岡県には魚を入れるケースなどに使う発泡スチロール資材メーカーが多く、高品質な素材が手に入ることも製造を後押ししている。

20年に浜松市や沼津市、群馬県太田市など5市町と災害時の物資提供について協定を結んだ。伊豆FM工場(伊豆の国市)と御前崎工場(御前崎市)、群馬工場(群馬県太田市)にそれぞれKpbox60セットが保管されている。木村崇専務は「大きな会場でのワクチン接種などにも使ってほしい」と話す。鋳造メーカーの新機軸がコロナ禍の暮らしに役立つ日も近い。

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